秋の夜の風物詩「鈴虫」の鳴き声。リンリンと澄んだ音が響いて、セミの鳴き声とはまた別の気持ちにさせてくれます。
秋口になると、鈴虫を虫カゴで飼って家の中で鳴き声を楽しんだ、という思い出がある方もるのでは?
今回は、秋の風物詩・鈴虫の声についての豆知識です。
鈴虫の鳴き声、電話では聞こえない?
ところで、この鈴虫の鳴き声、
実は電話越しで聞くことが出来ないという噂、聞いたことありませんか?
まさか虫の鳴き声が電話越しには聞こえなくなるなんてありえない!
確かに音も大きいし、広く響く音色だから距離的な意味で音が届かないということはあるかもしれないけれど……。
いえいえ、鈴虫の鳴き声が電話越しでは聞こえなくなるのはきちんと科学的な根拠に基づいて証明されているんです。
近年の有名刑事ドラマでトリックの一部としても使われていますので話だけは聞いたことがあるという方が多いかもしれません。
ここでは鈴虫の鳴き声が持っている音色の特徴や、実際に電話で鈴虫の鳴き声が聞こえない理由についてまとめました!
鈴虫の音色は他の虫たちと何が違う?
まず鈴虫と他の虫で、鳴き声の仕組みをみてみましょう。
鳴く虫には大きく分けて2種類いると言われます。
まずはセミ系。お腹の膜や人間で言う筋肉を使います。発信膜という膜と共鳴室と言われる器官で、筋肉と膜で生まれた音を大きく響かせています。
セミが鳴く声の周波数は2,000から9,000ヘルツと言われます。なんと救急車のサイレンより大きな高音(周波数)を出していることになります。
もう一つはコオロギ系。コオロギは持っている2枚の羽をこすり合わせ音を出します。
この羽根は一方がギザギザなので羽同士でこすりあうことで音が出る仕組みです。音の出し方を楽器で例えると、「ギロ」のような仕組みをしています。
そして鈴虫やコオロギの鳴き声の周波数は4,000から5,000ヘルツの周波数です。これもなかなかに響く高い音ですね。
ここでセミと鈴虫の鳴き方の違いが見えてきました。
セミはお腹を使って鳴く、鈴虫は羽を使って鳴くのでだいぶ構造が違います。
周波数の高さはさほど変化がありませんが音を出す場所や仕組みによって鳴き声がだいぶ変わってきますよね。
鈴虫の鳴き声が電話では聞こえない理由!
このように、鈴虫や他の虫の鳴き声は音色が違うだけで、仕組みや構造自体はあまり変わりませんでした
ならばスマホや携帯電話等の音に関する仕組みを見ていきましょう。
調べてみるとスマホや携帯、固定電話など、電話で音を受け取れる周波数にポイントがあるようです。(以下スマホや携帯電話、家の固定電話の事ををまとめて電話機と書きます)
電話機はあくまで人間同士が使う、という大前提で作られています。なので人間が話す時の声の周波数がキレイに聞こえるように作られているのです。
つまり電話で聞き取れる音=人間が出せる周波数というわけです。
じゃあ人間が出せる周波数はどれくらいの高さなのでしょうか。
人間の声の周波数は?
電話が音として受話器を通して送ることが出来るのは、300から3,400ヘルツまで!
これより低い音や高い音は電話で送れない、つまり電話では聞こえないのです。
鈴虫の声だけでなく、同じ理由でセミの声や楽器ではピッコロの音、ピアノの高い音は電話機越しには相手側に送れない=聞こえないということになります。
まとめ
鈴虫の声は本当に電話越しに聞こえないの?鈴虫の声が聞こえないならそれはどうして?
答えは・・・
「鈴虫の声は本当に電話越しでは聞き取れません。」
なぜなら、電話機で送れる音の高さを越えているから。
そして他にも、鳴く虫の声は聞こえないし高い音の楽器の音も電話越しには聞こえない。です。
虫の鳴き声は温度や様々な理由で周波数が変わるので、場合によっては電話越しにも鳴き声が聞こえることもあります。
目安としては暑い時は鳴き声が高い音、涼しい時は鳴き声が低い音です。ただし聞こえるのは超レア!めったにありませんので聞こえたらラッキーなのです。
ちなみにこの鳴き声でかなり細かく現在の温度を計測できちゃうんですって。生き物の仕組みはとても奥深い、ということですね。